硫黄島2部作「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」
邦画を中心に紹介するブログではあるが、この映画は書き留めねばならない。
あらすじは公式ページなどで割愛させていただくが、2部作で一つの作品と言えよう。
http://wwws.warnerbros.co.jp/iwojima-movies/
まずはアメリカ側からの視点で描かれた「父親たちの星条旗」。
ここでは日本兵はほとんどでてこない。不意に現れ、ひたすら不気味な存在として
描かれている。戦闘も激しく、一斉艦砲射撃や航空機の爆撃。壮絶な地上戦には
思わず目を背けたくなるカットの満載である。
しかし、伝えたかったのは悲惨な戦闘シーンではなくその後に起きた
「英雄」祭りである。
ただ、たまたま旗を立てて写真に写ったがために英雄と祭り上げれた兵士たち。
英雄なんていない。本当の英雄は硫黄島で闘い散っていった戦友である。
矛盾を抱えながらも、戦時国債キャンペーンの「キャラクター」として生きねばならない。
周囲は異常なまでに熱狂的に向かえ、彼らの心をさらに傷つけていく。
たった一枚の写真が引き起こした集団ヒステリーだろう。
人は弱り切ったところを刺激されるともはや正常な判断は出来ない。
なすがまま、流されていくままになってしまう。
先住民出身のアイラが叫ぶシーンが印象的である。
「あの島でみたことも、したことも誇りには思わない」
この映画を見て彼らは何を思うだろうか……
この映画を見てあのとき熱狂した国民は何を思うだろうか……
日本からみた「硫黄島からの手紙」は次回に持ち越し。